ご心配をおかけしました。

一日でも、ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。

昨晩?記事を書き散らしてから、
ただ逃げたい・終わらせてしまいたいという念に駆られたまま、
どうしても礼を言っておきたかった人達には「ありがとう」とだけ伝え、
24時間365日オンラインにしているPCの接続を断ち、

彼女が私の家に残していった、羊のぬいぐるみをポケットへ入れ、
彼女が昨年の今頃(かな?)に、置いていったマフラーを身に付け、
頭の中は空っぽで、ただ、終わらせるつもりで、ぶらりと外へ出て、
行くあても考えず、あったとしても電車も動いておらず、それでも、ただ呆然と家を出ました。



駅へ向かい、タクシーを見て、そこで突然、

「終わらせる前に、彼女がちょっとお気に入りだ と言っていた公園を探しに行こう」

という考えが生まれて、その公園の位置や名前は知らなかったのですが、彼女の家の周辺にある公園を探しました。

運転手さんと見当を付けて、そのあたりで降車させてもらい、一人で歩いて探しながら、
中学の頃からの、唯一の親友に、何も伝えられていないことを思い出したので、携帯から連絡しました。


彼の声を聞いて「ありがとう」と「彼女と別れた」「最後に親友の声が聞けてよかった」
それだけを告げたところ「今どこにいる。今から行くから待ってろ。」と言ってくれましたが、
その時はまだ、答えられず、泣きじゃくりながら振り切って電話を切り、電源も落とし、公園へ向かいました。



間違いなくここだという確信が得られたわけではないですが、なんとなく、
「ここかな?違っていたとしても、近いだろうし、ここでいいや」という気持ちになれる場所を見つけ、
ソラを見ていられるように仰向けに倒れて、しばらく、過去の思い出を噛み締めてました。


体がだいぶ冷たくなって、手の感覚も、足の感覚もとっくになくなり、
「このまま寝てたらもう起きなくて大丈夫かな?さすがにそれはないか…」
「ちゃんと終わらせるなら駅まで行ったほうがいいな。でも、まだもう少しだけこうしていたい」
と思って、続けて色々と考えていましたが、ちょっと無になりたくなってきたので、目を閉じ、
始発が動きだす時間にも、もうすこし余裕があったので、とりあえずこのまま寝ていようと思いました。

寒ければ寝れると思っていたのですが、今日の気温くらいでは意外と寝れないもので、
ちょっと、この場所以外の公園に行ってみよう、と思って立ち上がり、また歩きはじめました。



着いたのは、さっきの公園よりも断然小さく、丸い小さな緑のおもちゃのような椅子が二つと、
砂場とブランコとベンチ一つくらいしかない場所でした。

こんなに寒いのに、雨だってぱらついているのに、
人も通ってないのに、その緑の椅子の上に、

一匹の猫が居ました。

最初、私は気づかず公園に踏み込み、私は鳴き声で初めて認識し、その時すでにかなり近い距離に居ました。
私は、公園や野良の猫とは相性が悪いらしく、いままで、目をあわせるなり警戒され、
一歩でも動こうものなら、逃げられてしまう事しかなかったのですが、

その猫は、私が足を止めて存在に気づくと同時に、椅子から飛び降りて私の足元へ擦り寄ってきました。
恐る恐る、撫でてみたけれど、逃げられませんでした。
初めての出来事だったので、嬉しくて、もうちょっとこの猫と一緒にいられるかなと思い、
その猫が座っていた椅子まで歩いて行くと、しっかりと付いてきてくれて、
私が腰掛けても、まだ足に擦り寄ってきたので、そのまましばらく撫でていたら、

当たり前の様子で、となりの椅子まで歩いていき、その椅子の上に座り、一緒にいてくれました。
時折、こちらを見て「にゃあ」と鳴いてくれて、私も泣きながら、その猫に話しかけていました。
そこで口に出すまでは、気付いていなかった事で、とても大事な事を気付かされました。



「彼女は、俺が居なくなった世界でも、ちゃんと幸せに生きていけるかな」



その言葉を口にした瞬間から、
どう考えても、私がしていることは、自分の辛いという気持ちを終わらせる為にしていることでしかなく、
それこそ、私が死んで、消える事は、彼女にとって、絶望以外の何物も生まないと。

彼女は絶対に、私が終わった事を知ったとしたら、
今よりもっと、もっと、もっと、それこそ永久に癒えない傷を背負わせてしまう。
そんなものを彼女に背負わせるわけにはいかない。
という事に気付いてしまいました。

ここで、このまま、私が死ぬ事は、
自身の逃避でしかなく、彼女の事なんてなにも考えられていない。
そう感じてしまった以上、もう、先ほどまでの気は持てず、どうしようもなくなってしまいました。



ちょっとの間、その猫に話しかけてから、立ち上がり、
その猫に「じゃあ、またね」と言う、別れの言葉を口にしていました。

もう一度、元の公園に戻ろうと歩いている最中、再度、携帯の電源を入れ、親友に連絡をとり、
今、自分がいる場所を伝えました。


彼と私が合流した後、最初は何を口にしていたか覚えてないのですが、
覚えている事は「悪いけど、事情を言う前に、思い切り殴ってくれ」と口にしたこと。

その言葉を聞いた彼は「っしゃ」と振りかぶり、間髪入れず躊躇なく、殴ってくれました。

一発で私は崩れ落ちて、右足を捻挫し、顎も痛く、寒さも相まって、軽く脳震盪も起こしていましたが、
なによりも、ただひとりの親友である彼に私の事を殴らせてしまった痛みの方が何万倍も痛かったです。

崩れている私を乱暴につかみ上げ、私はまともに立てず、それでも自分で立てと背中で語りながら、
さっさと歩きだし「いくぞ、飯奢れや」という言葉と姿を、だんだんと狭窄していく視界から外すことなく、
全力で、それでもよろよろでしたが、足を引きずりながら、ついていきました。

程なくして、視界がゼロとなり、体から力が抜けて、再度崩れて、動けなくなってしまいましたが、
無言で戻ってきて、私のコートのフードを再度掴み上げ、引き起こされ、引きずられる瞬間に、
頭や視界は段々と回復してきて、ただ、歩きづらい足がもどかしかったですが、
遠ざかる彼を見失わないように、駅前まで歩き、ファミリーレストランで食事をし、
全てを話した上で、彼の感想は、


「そりゃまぁ弁解の余地はない。全面的にお前が悪いし、100人に聞いてもお前が悪いって言うだろう」
「自業自得だ。どっかの国なら懲役モンの事をしたんだから当然の報いやな」


と、言ってくれました。流石、彼だと思いました。気持ち良い程にしっかりとトドメを刺してくれました。
私の話しを聞いてなお、優しさだと擁護してくださる方々の気持ちも、嬉しかったけれど、
私は自分で自分のした事が許せないし、全て100%自分の自業自得だと思っていたので、
それを直球で突いてくれる、優しさを感じました。

それからしばらく、それでもやっぱり、彼女が好きだと言う気持ちを漏らしていましたが、

お前が救いを望んじゃいけない。
あとはもう彼女次第なんだから、お前はどうすることもできないし、しないほうがいい。
これ以上したら本当に今度はキモがられるぞ。

咎めの言葉をいくつか聞いた後、他愛のない雑談や、学生時代の昔話や、アニメの話、会社、仕事の話…
沢山雑談をしてました。

やっぱり、話をしている最中も、ここに彼女がいたら楽しかったのにな。とか、
何かの話をすれば、彼女を連想、想起してしまうのはどうしようもなかったですが、
それでも、だいぶ、気は落ち着きました。

心は相変わらず、彼女の事を求めていますが、それをやめるつもりも、消すつもりもないです。
このままずっと抱えていようと思います。彼女の事を信じて。

その為にも、私はまだ生きてなきゃならない。


心配かけてごめんなさい。

ただいま。